研究課題/領域番号 |
19401012
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
宮薗 夏美 鹿児島大学, 医学部, 講師 (60352465)
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研究分担者 |
桑原 季雄 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (00225319)
下敷領 須美子 鹿児島大学, 医学部, 准教授 (10315418)
松岡 悦子 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (10183948)
牛之濱 久代 四日市看護医療大学, 看護学部, 准教授 (70347649)
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キーワード | 妊産婦死亡率 / 乳幼児死亡率 / リプロダクティブヘルス / 性 / 性行動 / 性感染症 / 家族計画 / インドネシア |
研究概要 |
本研究では、西カリマンタン州の乳幼児死亡率や妊産婦死亡率がインドネシア全体のデータよりもさらに高く、また同じ西カリマンタン州の中でも都市部と僻地を比較すると僻地はさらに高い数値を示していることに注目し、その要因について、ジェンダーとリプロダクティブヘルスの観点から以下の1)〜7)をフィールド調査および分析し、明らかにする。また、データをもとに考察を行い、施策に反映できるようにインドネシア側に提言を行う。1)性行動と生殖活動における男女間の力関係2)性行動と高い妊産婦死亡率の関係性3)世代別の初潮・月経・結婚・妊娠・出産・避妊に関する男女双方の考え方4)住民の妊娠・出産に対する伝統的産婆と医療従事者(特に地域助産婦)への態度5)MME(妊産婦死亡率)とTBA(伝統的産婆)との関係6)学校、家庭あるいは地域における性教育の実態7)医療従事者および政府関係者のリプロダクティブヘルスに関する考え方。平成19年度は平成19年8月〜9月に研究代表者がポンティアナク市で予備調査を行った後、平成20年2月に宮薗、下敷領、牛之濱が西カリマンタン州サンガウ県で調査を行った。調査内容は、保健省でサンガウ県および西カリマンタン州のジェンダー、性感染症問題、リプロダクティブヘルスに関するインタビューを行った後に調査対象者の紹介を得た。その後、公立高校1校と私立高校1校の計2校全学年に性感染症に関する知識を問うアンケート、DV・ジェンダー問題に関する尺度を用いたアンケート調査を行った。また、高校の性教育担当者に性教育の内容についてインタビューを行った。また地域助産師、伝統的産婆、地域住民へのインタビューやFGD(Focus Group Discussion、決まった議題(問題)についてグループで行うインタビューおよび討議法)を行った。高校に進学していない20歳以下を対象に同様のアンケート調査を実施した。 平成20年度に繰越した分については、平成21年2月に保健省、教育省でのインタビュー調査を行った後にサンガウ県で母子の食事状況の調査をインタビューおよび食事を写真で撮ってもらうなど行った。また、性行動と生殖に関する地域住民へのアンケート調査を行った。伝統的産婆や地域助産師へのインタビュー調査、生殖可能年齢の女性へのFGD、既婚男性のFGD,未婚女性のFGDを実施した。中学校2校での性や性感染症に関する知識を問うアンケート調査も行った。これらの成果については21年度以降、国際学会を含む学会発表(口演・論文)を積極的に行う予定である。国際学会はすでに抄録を提出し受理されており9月に発表を行う予定である。
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