本研究課題は、学問のほぼ全領域から研究対象とされた仮面研究が内包する死角であった仮頭について、仮面との比較という方法によって、その属性を明らかにするのを目的とする。動態としての仮頭を主たる対象にするため、現在も仮頭の身体表現が存在するアジアに範囲を限定し、仮頭と仮面を1つの芸態にもつもの、あるいは1つの文化圏で両者をもつものを対象に、フィールドワークによる以下の基礎資料作成と、メンバー個々の分担テーマに基づく資料分析、検討、メンバー全員での情報共有、比較研究を実施している。 本研究課題で収集している基礎資料データの内容: (1)仮頭自体 仮頭の計測、造型の特性、材質、作成法など。 (2)成立要素関連 身体表現方法、音楽、式次第・内容、提供側組織、養成・伝承システム、受要側の質などを調査対象として聞き取り調査を実施。仮頭を用いる芸態の映像記録の作成。 (3)社会的背景関連 その芸態を受容する社会、その芸態の社会的機能、歴史的背景などを対象に、文献及び聞き取り調査を実施。
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