研究課題/領域番号 |
19401020
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
呉人 惠 富山大学, 人文学部, 教授 (90223106)
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研究分担者 |
遠藤 史 和歌山大学, 経済学部, 教授 (20203672)
呉人 徳司 東京外国語大学アジア, アフリカ言語文化研究所, 准教授 (40302898)
白石 英才 札幌学院, 大学経済学部, 准教授 (10405631)
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キーワード | 古アジア諸語 / コリャーク語 / ユカギール語 / チュクチ語 / ニヴフ語 / 音韻・文法記述 / テキスト・辞書編纂 / 類型論的比較研究 |
研究概要 |
平成20年度には、チュクチ語、コリャーク語、ユカギール語、ニヴフ語を対象に、前年度におこなった各言語の現地調査による一次資料の収集と分析、フォーマルな音韻・文法記述、テキスト・辞書編集に加え、最終年度の研究総括に向け、言語間の類型論的比較研究にも着手した。各メンバーの具体的な成果は以下のとおりである。 呉人(恵)は、2回のコリャーク語の聞き取り調査をおこない、テキスト分析を進めるとともに、形容詞と使役構文に関する調査をおこない、前者は同じく動詞型の形容詞をもつユカギール語と、後者は同系で類似性の高いチュクチ語と比較し、類似点と相違点の洗い出しをした。また、執筆中であった『コリャーク言語民族誌』(2009)に現地調査でえた新たな知見を盛り込んだ。平成20年度の成果は、11.の研究発表の項目に挙げられているとおりであるが、この他、2009年7月には言語類型論学会(北米)、国際人類学・民族学会(中国)でそれぞれ研究成果を口頭発表することが決まっている。 遠藤は、ユカギール語の現地調査をおこない、既刊『コリマ・ユカギール語の輪郭』(2005)の記述をさらに精緻化すべく一次資料の分析を進めた。この他、辞書編集にも力を入れ、その基礎研究をおこなった。 呉人(徳司)は、チュクチ語の現地調査をおこない、主にチュクチ語の使役構文を中心としたヴォイスや結合価といった動詞に関する研究を進めるとともに、テキストならびに語彙集刊行に向けての編纂作業をおこなった。特に、使役に関する成果は、呉人(恵)の比較研究に重要な知見を提供した。 白石はニヴフ語の聞き取り調査をおこない、主に音節構造についての分析をおこなうとともに、昨年度に続き、ニヴフ語音声資料の分析、整理作業を進めその成果を刊行した。 以上、全員、課題を計画通り遂行し、最終年度への準備を整えることができた。
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