研究概要 |
新疆ウイグル自治区博物館およびトゥルファン博物館が所蔵する各種古文書のうち,非漢文文献を整理し,確実な保存と研究の基盤を構築する。とりわけ後者には1980年にベゼクリク千仏洞から発見されたものの,研究の手がつけられていないもの約460点が保管されているので、これを中心的な対象とする。 (1)この文書群の初歩的なデータ整理・カタログ化を,古文書学の手法をとりつつ、保管上安全な環境のもとでおこなう。 (2)文字資料としての価値を確定するために、読解と釈文の作成をおこない,言語学的・宗教学的・歴史学的研究をすすめ,歴史・文化の再構成を可能にする総合的な研究に発展させる。 (3)世界各地保存の関連諸文書との比較研究をすすめる。また,博物館内で現在行方不明のものを,この機会に共同で探索することも付随的な目的としたい。 これらの作業、研究を通じて,非漢文出土古文書総合カタログへの一里塚を築くことを最終目的とする。
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