研究課題/領域番号 |
19401030
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70169184)
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研究分担者 |
熊木 俊明 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20282543)
辻 誠一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20137186)
高橋 健 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教 (20451776)
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キーワード | 考古学 / 新石器時代 / アムール川下流域 / コンドン文化 / ベリカチ文化 |
研究概要 |
アムール川下流域の新石器時代多層位遺跡として著名なマラヤ・ガバニ遺跡の発掘調査をロシア側の共同研究者とともに夏季8月に実施した。かつてロシアの研究者によって調査された際の発掘区に隣接する地点に発掘区を調査することにより、かつての調査の成果は簡単な報告しかないためその内容を明らかにすることに努めた。発掘調査では最上層から鉄器時代の遺物が出土したが、主体となる層ではアムール川下流域の新石器時代を代表する三つの文化、コンドン、マルイシェヴオ、ヴォズネセノフ文化の遺物、遺物を検出し、それらの間の相対的な序列をほぼ確定することができた。またそれぞれ各文化期の細別を考えるための良好な資料を得ることができた。また、これらのアムール川下流域に典型的な土器群の他に、シベリアのベリカチ文化の土器も多く出土し、このアムール川の最下流地域が新石器時代に極東とシベリアの接点となっていたことが確かめられた。 これらの発掘した調査資料は、冬季の12月にハバロフスクを訪れて、夏季発掘資料の整理作業をロシア側共同研究者とともに実施した。出土した土器の図面作成、拓本作成、写真撮影を行った。また、出土した石器についても図面作成、写真撮影を行った。これに併行して、国内では土器付着炭化物の年代測定を実施したが、さらに次年度以降測定数を増やす予定である。 次年度繰越分の作業として、翌年に継続して出土した遺物の図面整理をおこなった。
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