研究課題/領域番号 |
19401033
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
大城 道則 駒澤大学, 文学部, 准教授 (00365529)
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研究分担者 |
金谷 一朗 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50314555)
橋本 英将 元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80372168)
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キーワード | 西洋史 / 先史学 / 考古学 / 古代エジプト文明 / 砂漠 / オアシス / データベース |
研究概要 |
前年度までの成果を踏まえ、現在のエジプト国境からさらに西方に古代エジプトの主神であるアムン神信仰が伝播していた痕跡の確認を求めてフィールドワークを実施した。研究代表者がアムン神の伝播の最西端と考えているアルジェリアのアトラス山脈地域に複数存在する頭部に円盤を持つ羊の図像の類例の採集を目指し、本年度は12月15日~12月29日にかけて、リビア国領内の砂漠地域(クフラ以南のサハラ地域)及びエジプト・スーダン・リビア国境地帯であるジェベル・アウェイナート山(リビア側)においてフィールドワークを行った。明らかな例は採集できなかったが、幾つかその可能性のある岩絵・線刻画を確認することができた。ナイル地域からエジプト西方砂漠への文化的影響の受容度とその変化について、古代エジプトの神であるアムン神を取り上げ、砂漠中のオアシス都市という特殊な立地的観点から考察することを目指した本研究の目的を地理的に遥かに超える空間に調査範囲は拡大した。つまり、アムン神の伝播した道を確認することは、オアシスを介したサハラ地域のネットワークの存在を明らかにすることでもあるのである。最終的にはサハラ砂漠を含む北アフリカ全体を視野に入れた古代エジプト文化の伝播とその受容の総合的な理解が求められる。また政情不安な地域、あるいは過酷な自然環境をともなう辺境地域であることから、収集したデジタル・データの有効活用も今後重要な問題となるはずである。その際に求められる二次元データ(デジタルカメラによるデータ)を三次元データに速やかに容易に起こす作業についても検討中である。
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