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2007 年度 実績報告書

ブラジル・パンタナールの伝統的な湿地管理システムを活かした環境保全と内発的発展

研究課題

研究課題/領域番号 19401035
研究機関立教大学

研究代表者

丸山 浩明  立教大学, 文学部, 教授 (50219573)

研究分担者 宮岡 邦任  三重大学, 教育学部, 准教授 (70296234)
吉田 圭一郎  横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (60377083)
仁平 尊明  筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (60344868)
キーワードブラジル / パンタナール / 湿地生態系 / ワイズユース / 環境保全 / 内発的発展 / エコツーリズム / パイアグアス
研究概要

本年度は,パンタナールのパイアグアス(Paiaguas)地区を対象に,環境保護の名の下に実施されてきたポッカ(Boca,自然堤防の亀裂で河川水の外部への流出口)の周年開放が引き起こしたさまざまな問題を実証的に解明した。その具体的内容は,以下のようである。
1.ポッカの周年開放が一方的に実施・強要された1990年代前半頃の住民運動などに関する文献や,浸水により立ち退きを余儀なくされた住民の移住先(近隣都市のコルンバCorumba)での生活実態に係わる調査資料を収集した。その結果,行政と住民の軋礫や移住者のインフォーマルセクターでの厳しい生活実態が明らかになった。
2.ポッカの開放状態や流域での浸水・植生破壊の状況を,上空から小型飛行機で観察し,ハイビジョン・ビデオカメラで撮影・記録した。ただし,既存の撮影システムでは,広域静止画の作成に使える映像が獲得できなかった。
3.とりわけ浸水が顕著な,タクアリ川下流域に立地するファゼンダ・サンルイス(FazendaSaoLuiz)を事例に,(1)地下水位の上昇と浸水域の広がり,(2)浸水に伴うムルンドゥ(Murumdu:vegetated earthmounds)の植生破壊の実態,(3)浸水域の拡大がおよぼす牧畜経営やエコツーリズムへの影響,について調査した。その結果,7300haの農場全体の約6割が浸水地となってしまったことや,特定樹種の枯死が顕著なことなどが明らかとなった。
4.生活物資や家畜のウシなどを運搬するパラグアイ川での伝統的な河川交通や,近年の大型船を利用したスポーツフィッシングの実態について聞き取り調査を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] GPSとバイトカウンター首輪を用いたウシの採食行動調査-ブラジル・南パンタナール、バイア・ボニータ農場における乾季の事例-2008

    • 著者名/発表者名
      丸山 浩明
    • 雑誌名

      人文地理学研究 32

      ページ: 17-35

  • [学会発表] ブラジル・パンタナールにおける熱帯湿原の持続的開発と環境保全(17)-環境保全策により生じたパイアグアス地区における森林植生の荒廃2008

    • 著者名/発表者名
      吉田 圭一郎
    • 学会等名
      日本地理学会
    • 発表場所
      獨協大学
    • 年月日
      2008-03-29
  • [図書] ラテンアメリカ(12・2パンタナールの開発と環境保全)2007

    • 著者名/発表者名
      坂井 正人
    • 総ページ数
      314-324
    • 出版者
      朝倉書店
  • [図書] 世界の地域問題(29ブラジル・パンタナールのエコツーリズムとその課題)2007

    • 著者名/発表者名
      漆原 和子
    • 総ページ数
      58-59
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
  • [図書] 地理教育の課題(II-6ブラジルの大規模農業開発と環境・社会問題-セラード農業開発の事例)2007

    • 著者名/発表者名
      小林 浩二
    • 総ページ数
      142-158
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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