研究課題/領域番号 |
19401036
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉田 栄人 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (10240285)
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研究分担者 |
桜井 三枝子 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (90235226)
大越 翼 上智大学, 外国語学部, 教授 (40439336)
三澤 健宏 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20297112)
初谷 譲次 天理大学, 国際文化学部, 教授 (10180895)
杓谷 茂樹 中部大学, 国際関係学部, 准教授 (90410654)
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キーワード | マヤ / 再領土化 / トランスナショナリズム / 観光 / アイデンティティ / マヤ語 / 日常的実践 / 空間認識 |
研究概要 |
本研究は他者によってマヤと称される文化的実践がマヤの人たち自身によって如何に主体的に再構成(再領土化)されるかを明らかにしようとするものであるが、クルソー・マヤの祈祷に関する調査を行った初谷は、マヤの人たちは押し付けられたカトリックの祈りをブリコラージュによる摸倣と継承を繰り返しながら、自らの日常的実践の資産として再領土化していることを明らかにした。また、大越による古文書の分析および現地調査からは、集住政策によって集められたマヤ人はスペイン人によって整序された空間を彼ら固有の空間として再領有していったことが明らかになった。 観光産業への先住民の関わりに関して桜井と杓谷が遺跡公園の利用、また本谷が民芸品の生産と流通に関する調査を実施した。特に杓谷はエク・バラム遺跡公園に隣接する先住民村落が始めたエスニック・ツーリズムの試みから先住民自身の手による自律的な観光事業のあり方に焦点を当てた。本谷の調査からはメキシコで売られている「土産品」の中にはグアテマラの民芸品が多数存在すること、またそのグアテマラ産民芸品流通の背景には、サンフアン・チャムラ村の女性の労働移動が関与していることなどが明らかになった。 三澤はメキシコにおける公共政策が先住民共同体の再生産とアイデンティティの形成に与えてきた影響を明らかにするため、グアテマラと隣接するチアパス州アカコヤグア村などにおいて聞き取り調査を実施した。特に貧困削減の一環として導入された奨学金制度に焦点を当てた。 また、吉田はマヤ語復興の中で現在でも未解決の問題であるマヤ語の標準化に資することを目的としてマヤ語動詞活用辞書を作成し、同辞書をマヤ語復興に関わる機関および個人に配布した。
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