研究課題/領域番号 |
19402001
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中村 純 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (30130876)
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研究分担者 |
岡部 成玄 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70169134)
深田 昭三 愛媛大学, 教育学部, 教授 (50228863)
山之上 卓 鹿児島大学, 学術情報基盤センター, 教授 (00191370)
村田 育也 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80322866)
布施 泉 北海道大学, 情報基盤センター, 准教授 (70271806)
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キーワード | 情報倫理 / 情報セキュリティ / 教材の国際化 / 多言語教材 / ビデオ教材 |
研究概要 |
インターネットが大学での活動の不可欠なインフラとなるにつれ、自らの身を守り、また加害者とならないために、ネットワーク上でのセキュリティ、プライバシーの取り扱い、著作権、肖像権、P2P、ウェブアクセシビリティなど、学生が知っておかなければならないことは多い。 世界の多くの国がネットワーク社会に入りつつあり、特にアジアで学生に健全な利用を行って欲しいと考えている人々は、情報倫理教材に大きな関心を持っている。そこで情報倫理の国際化教材を開発するための予備調査研究として、昨年度に引き続いて調査を行った。調査内容は、諸外国の情報倫理教育、特に教材開発の現状、情報倫理教育を実施するにあたっての国による文化・社会習慣の相違により生じる特異性などである。具体的には、以下のような調査や活動を実施した。 (1)中国の若い世代を対象にインターネット上で調査(2)インターネット上での行動規範についてのアンケート項目の設計(3)ドイツ、ハンガリーで学生、教員に対する対面調査(ハンガリーではアンケート調査も実施)(4)欧州共同体で安全なインターネット利用について活動を行っているINSAFEの訪問とインタビュー(5)言語を越えた教材として、1コママンガによる情報倫理の教材の可能性の調査(6)韓国の情報倫理研究者を交えたワークショップの実施 昨年度の米国と比較すると、インターネットの情報手段としての重要性やフィッシングへの意識などに差異が見られ、特に著作権に対する意識には差が見られる。ブリュッセルのINSAFEは、専門職員グループによる非常に活発な活動が印象的であり、日本でも対応する組織の必要性が痛感された。情報倫理は個人の道徳規範とも密接に関係し、教材の効果があったのか、そもそも教育が可能なのかという問題を抱える。現在、解析が進んでいる上記アンケート予備調査を元に、この問題に科学的に答えることができれば、国際教材共同開発へ向けての一歩が踏み出せる。
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