研究課題/領域番号 |
19402011
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
上野 加代子 徳島大学, 総合科学部, 教授 (50213377)
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研究分担者 |
押川 文子 京都大学, 地域研究統合センター, 教授 (30280605)
落合 恵美子 京都大学, 文学研究科, 教授 (90194571)
橋本 泰子 (関 泰子) 四国大学, 社会学部, 教授 (80236075)
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キーワード | 女性の国際移動 / 結婚 / 家事労働 / ケア労働 / アジア |
研究概要 |
近年、膨大な数の女性が家事や介護労働、工場労働、娯楽産業などへの就労、そして結婚のために国境を越えるようになった現象を指して「国際移動の女性化」という言葉が使われている。アジアにおいても、この地域の二大労働者輸出国のフィリピンとインドネシアにおいて、家事や介護などの就労を目的とした出国数が男性のそれを上回っている。中国は台湾や韓国への花嫁送り出し国であり、またベトナムからは、花嫁だけでなく、家事・介護労働者として台湾などに移動する女性が増えている。 このような現象を鑑み、本科研プロジェクトは、アジアにおける家事・介護就労による国際移動とエージェンシーを介した国際結婚を多面的に分析することが目的である。今年度行った主な調査は以下の通りである。 家事・介護労働者の送り出し国としてフィリピンとインドネシアで、関係各省やNGO機関に聞きとり調査を行った。そしてシンガポールとタイにおいては、現在、住み込み家事労働者として働いている外国人女性たち、そして外国人労働者支援のNGOにインタビューを行った。女性の海外就労による家族の生活変容を探るために、インドネシアとミャンマーの村で、家事と介護の海外就労の経験がある女性を中心に就労後の生活についてインタビューを実施した。そしてアラブ首長国連邦の研究協力者が、現地でスリランカ、フィリピンからの女性家事労働者の聞き取り調査に着手している。 上記の質的な調査に加えて、シンガポールの外国人家事労働者のシェルターに滞在している150名の女性を対象に、質問紙による調査を実施し、属性、出国理由、借金額、貯金額、雇用者家庭やエージェンシーでの待遇などを量的に把握した(来年度も継続予定)。 結婚を機にした国際移動については、東京などで国際結婚のエージェンシーにインタビューを行なった。来年度は国際結婚を中心に調査を実施する計画である。
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