研究概要 |
本研究の第2年度に当たる平成20年度は,次の研究作業を遂行した。 ハンガリーに関しては,2008年春に実施したパイロット調査の結果を踏まえ,同年秋に本調査を行い,その結果,製造業企業191社及びサービス業企業196社から有効回答を得た。岩崎は,本企業インタビュー調査結果の一部を用いて,多国籍企業子会社の人材登用活動に関する予備的な分析を行い,その結果を踏まえて,2008年10月に伊国トレント大学で開催された国際コンファレンス「グローバリゼーションと地域開発」において"Hungarian Managers in Multinationals: An Overlook"と題する研究報告を行った。また同時に,ハンガリー国家税務局から提供を受けた大規模企業パネルデータを用いた実証研究も進めた。その最初の成果は,「国家所有・私有化・企業再建:ハンガリー企業の実証分析」という論文として発表した。海外共同研究者も,本プロジェクトに関わる図書や雑誌論文を数点発表している。 もう一方の主要研究対象国であるロシアについては,2005年上半期に実施した企業アンケート調査結果の実証分析を更に推し進めた。その成果の一つは,ロシア株式会社の取締役会構成の決定要因に関する単著論文として,Journal of Corporate Finance誌に掲載された。この他,岩崎は,海外共同研究者と共に,これまでの研究成果を取りまとめた英語論文集Organization and Development of Russian Busines: A Firm-level Analysisを,英国Palgrave Macmillan社から2009年上半期に刊行する予定である。
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