平成20年度は、研究代表音・連携研究者(川田、不破、美甘、関、長坂の計5名)がそれぞれのテーマにしたがってフィリピンにおいて現地調査や資料収集をおこなった。また、国内研究会を1回開くことによって、研究課題に関するアプローチ、調査計画・調査結果報告をおこない、互いの研究内容の理解につとめた(3月)。 本研究の主要な部分はフィリピン現地調査であるがその平成20年度の内容は以下のとおりである。西村は、タルラック州ルイシータ農園における農民運動の実態調査、マニラにおいて大学や政府機関での資料収集をおこなった。川田は、セブのグアダルーペ教区におけるコミュニティ形成を中心として、宗教実践から生成される共同性ついてのフィールドワークをおこなった。不破は、従来から行っている農村調査データの計量分析を続けるとともに、調査対象農村(ラグナ州、バンガシテン州など)において補完的な聞き取り調査をおこなった。美甘は、マニラを中心にビジネス・エリート(コミュニティ)の政治行動、自由化政策を中心とする政策形成に関して様々な社会勢力との連携の実態と可能性について、インタビュー調査と現地資科の収集をおこなった。関は、マニラ首都圏にて都市部の低所得者向けの再定住プロジェクトにおける住民間の差異化と共同性に関するインタビュー調査をおこなった。長坂は、海外移住・出稼ぎによる社会経済変容に関して文献調査を実施した。
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