研究概要 |
1) 平成20年12月にポーランド・リトアニアの両国の研究協力機関を訪問し, 平成21年1月から3月までの調査国の選定, および調査方法について協議した。特に平成20年9月以降の世界大不況の影響から, 当初予定していたアイルランドにおいて移民労働者の大量解雇が開始していたので, 世界不況の影響の少ないスペインの農業地帯を平成20年3月に調査ずることとなった。 2) 平成21年2月に再び, 上記の両研究所を訪問し, 平成21年4月以降の調査方法について協議を重ねた。その結果, 世界不況の進展をもう少し見守り, 改善されるなら平成21年9月にアイルランドを調査し, 改善、されない場合は, ノルウェーまたはスウェーデンの漁業労働者の調査を行うこととなった。 3) 平成21年3月にリトアニアの研究機関の研究員2名と共にスペインの地中海沿岸地方におけるリトアニア人出稼ぎ労働者の調査を9日間行った。面会は20名で平成18年に提出した計画書と同等の調査人数であった。 4) 意義と重要性。農業においては単純労働者では世界大不況による解雇が始まっていた。しかし, 熟練労働者や, 工業部門での熟練労働者に解雇の動きはなく, 東欧からの出稼ぎ移民が西ヨーロッパで必要不可欠な労働資源となっていることが確認された。特に若年層では解雇されても現地にとどまり, 次の職場を捜す傾向がみられた。
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