研究概要 |
EU(ここでは2007年までの25か国を指す)各国は,自国の労働市場を2011年春までに,EU加盟国のすべての労働者に開放することで合意している。本研究が開始された2007年では,英国・アイルランド・スペインなどの国が既に労働市場を開放しており,その後,デンマークも開放し,2009年にはフランスも開放し,2010年にはドイツも開放の予定である。 このように,研究開始年で既に労働市場がEU加盟国労働者に開放されている国と,研究期間中に開放された国と,研究期間最後の年に開放される国の上記5か国を労働者受け入れ国として選び,労働者派遣国としてポーランドとリトアニアを選定した。 調査の主眼は,当該国での外国人労働者の吸引要因と,派遣国側での出稼ぎ労働派遣要因の解明にある。そして,その要因の中で最も重要な要因は,家族・親戚関係であると予測した。 調査方法は,アンケート票による記入方式を採用せず,長時間の直接インタビュー方式を用いた。キーパーソンの伯母との関係,伯母の居住地・職業・学歴などをアンケート票で調査することは不可能であり(すなわち,誰がキーバーソンであるかにより質問内容が変わる),話の流れの中で質問するしか方法はないからである。なお,このような調査はEUでの外国人労働に関してはいまだ先行研究はない
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