研究課題/領域番号 |
19402030
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高橋 基泰 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)
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研究分担者 |
村山 良之 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (10210072)
長谷部 弘 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50164835)
山内 太 京都産業大学, 経済学部, 教授 (70271856)
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キーワード | 近世村落社会 / 環境共生・制御 / 自然災害 / 市場経済化 / 日英対比研究 / 長野県上田市上塩尻 / ケンブリッジ州ウィリンガム教区 |
研究概要 |
本研究は、「近世期」のイングランドと日本という二つの社会をとりあげ、村落社会が市場対応型の経済発展を進める中で自然環境とどのように共生しまた管理していたのか、その論理と実態を社会経済史的な<対比>研究として明らかにしようとするものである。 本年度は、研究打合せの後、下記国際学会報告のためのプレ・セッションを累積的に行った。それと平行して洪水・飢饉データ収集・整理のための古文書分析に着手し、また研究対象地の上田市上塩尻における現地調査により、水利関係の新史料・新データを入手している。加えて自然災害の歴史分析の基礎として、大縮尺の地図データ生成に着手し、既に入手済みの上塩尻村蚕紙関係建築物飼料を用い、洪水と生活構造との関連で立体的観察をおこなった。 イギリス調査では、ウィリンガム近辺においてとくに洪水および潅漑データ生成のため地調査および基礎的史料収集をおこなった。調査実施後、現地で共同の研究会を実施し調査結果の整理と検討をおこなっている。 本研究計画は、先行する研究プロジェクトを前提としており、その成果と本計画における本年度の研究成果とを年度末の国際学会(ESSHC(European Social Science History ヨーロッパ社会科学史学会)2008年2月リスボン国際研究大会)で報告した。日本の村落社会の歴史については、「イエ」のあり方ひとつでも庶民レベルでの理解は十分ではない。その点で本研究成果のセッション報告としての研究成果の公表は、環境共生および制御をテーマにしながらも、その土台となる事柄も含め、ヨーロッパの歴史的文脈理解を前提に双方向的になされ、現地研究者との議論も十分生産的・創造的になしうることを示した。部会総会における部会長による基調報告の筆頭項目として、本研究がそれ自体のみならず西欧諸国との比較可能性を高く示したものとして評価された。
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