研究課題/領域番号 |
19402030
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高橋 基泰 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)
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研究分担者 |
村山 良之 山形大学, 大学院・教育実践研究科, 教授 (10210072)
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キーワード | 近世村落社会 / 環境共生・制御 / 自然災害 / 市場経済化 / 日英対比研究 / 長野県上田市上塩尻 / ケンブリッジ州ウィリンガム教区 |
研究概要 |
最終年度として、これまでの議論をふまえ、新たな視角もまじえながら、引き続き日英の洪水・凶作データ収集のため古文書分析を遂行し、洪水と生活構造との関連で立体的観察をおこなった。また、市場経済化期の凶作・飢饉時における日英村落社会を対比した。 その結果、市場経済形成期において、ダイナミックな市場経済の展開に対して日英の村落諸経済社会組織が共通して予想以上に堅固で適応的な対応を示すことができた。他方、凶作・洪水はやはり深刻な影響をもたらすがゆえに、村民にとってはやはり「飢饉」「災害」なのであり、彼らだけでは処理できない広域の問題では藩・政府の対応を明らかにしている。研究成果の一部はすでに2009年8月オランダ・ユトレヒトでの国際会議、World Economic History Congress(世界経済史会議)で報告した。国内でも日本村落研究学会研究大会で報告している。また、今後海外では、2010年4月ベルギー・ゲントにおける国際学会(ESSHC(European Social Science Historyヨーロッパ社会科学史学会)2009年4月ゲント国際研究大会)および2010年9月英国ブライトンにおいて開催される国際農業史研究学会研究大会(International Rural History Conference)、国内でも2010年6月に社会経済史学会、9月にOxford-Kobeセミナー(日欧環境史)にて報告する。 さらに、本年度末には、日英村落対比研究シリーズの別巻として、下記図書(『飢饉・市場経済・村落社会-天保の凶作からみた上塩尻村-』)を公刊した。
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