研究概要 |
本地域調査研究は、21世紀"共成(codevelopment,cosviluppo)"システム構築を研究の全体構想として、イタリアのヴァッレ・ダオスタ州、トレンティーノ=アルト・アディジェ州、ブリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州、サルデーニャ州および、これらの諸地域と隣接あるいは"ひとの移動"を通じて関連する諸国・諸地域を主たる調査対象としている。本研究は、平成16~18年度の科研費・基盤研究(B)(海外学術調査)「21世紀"共成"システム構築を目的とした社会文化的な"島々"の研究」(課題番号:16402031)の成果をふまえて、調査研究のポイントを絞ったうえで調査に着手できるという点で優位性を持つ。 最終年度の平成21年度は、これら"境界領域のメタモルフォーゼ"と"共成の智"を理解し、そこから新たな21世紀"共成"システムの構築にむけての調査研究のとりまとめをおこなった。 1. 鈴木鉄忠(研究協力者)をトリエステに派遣し、プリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州と隣接する地域であるイストリア半島における間国境地域の地域調査、精神福祉医療施設、チルコロ・イストリア等での意見聴取、トリエステ大学等での資料収集を実施した。 2. 新原道信(研究代表者)がサッサリ大学において、研究協力者のサッサリ大学教授A.メルレルを中心に、研究者・知識人の意見聴取と資料収集を実施した。 3. その他の連携研究者および研究協力者とともに、この三力年におこなった地域調査・インタビュー調査の映像資料、フィールドノーツをもとに、各自が日常的に自分および他者の映像記録をよく分析し、そこで作成した分析をML等で交換し、それを前提として、日本国内の研究会においてリフレクションを蓄積し、記録を残し、このプロセスそのものも日誌・資料として残した。
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