本研究は、成人期で知られている対人葛藤処理方略の文化差の発達過程を明らかにすることを目的としている。そのために、日米中韓の4ヵ国で横断研究を行い、文化差の出現時期を明らかにする。さらに日中韓の3ヵ国で縦断研究を行い、文化差の出現時期を確認する。縦断研究では、合わせて、親に対する面接調査で社会化方略を測定し、親子相互交渉の観察を行うことで、文化差の発達にかかわる要因を明らかにする。子どもの対人葛藤処理方略の発達には、親による社会化要因のほかに、子どもたちが目にするメディアや子ども同士の仲間による社会化や保育者の影響を想定することができる。それらの影響を明らかにするために、家庭で視聴しているメディアの内容分析と、保育機関における子ども同士の葛藤場面の観察や葛藤場面における保育者の行動についても分析を行う。
|