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2009 年度 実績報告書

研究大学の学士課程に適した優秀学生プログラムの開発に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 19402046
研究機関名古屋大学

研究代表者

近田 政博  名古屋大学, 高等教育研究センター, 准教授 (80281062)

キーワード教育学 / 学士課程 / 研究大学 / オナーズプログラム / 優秀学生
研究概要

本研究の目的は、世界主要国におけるオナーズプログラムもしくはこれに類する特別教育プログラムが学士課程において果たす役割とその意義を明らかにすることである。そのための現地調査をオナーズ発祥の地であるイギリス、多くの大学で多様なプログラムが整備されているアメリカをはじめとして、カナダ、オーストラリア、中国、日本の大学において実施した。
オナーズプログラムを学生の側からみれば、一般の学部では習得するチャンスが少ないリーダーシップなどの社会スキルや国際交流を重点的に体験することができる。何よりも、低年次学生の学習意欲を飛躍的に高める可能性を秘めている。また、公立大学の授業料で私立の小規模カレッジと同等の手厚い学習支援が得られるというメリットがある。大学の側にとっては、プログラムを運営するのに一定のコストを要する一方で、より優秀な学生を自大学に獲得し、自大学の大学院につなぎとめる効果を期待できる。さらに、プログラムの評価が高まれば、大学の名声を高めることにもつながるというメリットを得られる。こうした点から、アメリカのオナーズプログラムは準トップクラスの公立総合大学にとって有効な経営戦略となっている。
現在のところ、日本においてオナーズプログラムを設置している大学はきわめて少数である。ただし、九州大学の21世紀プログラムを嚆矢とし、高い学習意欲を備えた学生のための特別教育プログラムが立命館大学や愛媛大学などにおいて活発に実施されるようになってきている。その最も大きな課題は、学士課程教育全体の質保証にこうしたプログラムがどの程度寄与しうるかという点である。正課外活動を包括した広義の学士課程教育の質保証にとって、これらのプログラムは一定の機能や効用を持ちうるかもしれない。しかし、単位の質保証や学位の質保証のような正課としての学士課程教育の質保証には必ずしも直結しないと考えられる。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 高等教育に関する研究動向-質保証システムに注目して2009

    • 著者名/発表者名
      鳥居朋子
    • 雑誌名

      教育制度学研究 第16号

      ページ: 140-145

  • [雑誌論文] 米国の研究大学における1990年代以降の学士課程カリキュラムの特徴-研究に基づく学習を重視するスタンフォード大学の事例から2009

    • 著者名/発表者名
      中島(渡利)夏子
    • 雑誌名

      東北大学大学院教育学研究科研究年報 第57集第1号

      ページ: 173-189

    • 査読あり
  • [学会発表] The use of blended learning approach in the faculty development project2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤万知, 松本喜以子
    • 学会等名
      The 34th Annual Professional and Organizational Development Network Conference
    • 発表場所
      Houston, USA
    • 年月日
      2009-10-30
  • [学会発表] FDにおける教育工学と高等教育学のクロスロード2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤万知
    • 学会等名
      日本教育工学会第25回全国大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-09-19
  • [学会発表] 名古屋大学における学生論文コンテストと論文書き方講座の取り組み2009

    • 著者名/発表者名
      近田政博
    • 学会等名
      大学教育学会第31回大会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      2009-06-06
  • [学会発表] 学士課程教育の質的向上におけるオナーズプログラムの役割2009

    • 著者名/発表者名
      近田政博・鳥居朋子・佐藤万知・中島(渡利)夏子
    • 学会等名
      日本高等教育学会第14回大会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2009-05-23
  • [学会発表] FD促進のための3分間コンテンツの開発2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤万知・松本喜以子・渡辺雄貴
    • 学会等名
      日本教育工学会研究会
    • 発表場所
      徳島大学
    • 年月日
      2009-05-16
  • [図書] 大学教員準備講座2010

    • 著者名/発表者名
      夏目達也・近田政博・中井俊樹・齋藤芳子
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      玉川大学出版部
  • [図書] 学びのティップス 大学で鍛える思考法2009

    • 著者名/発表者名
      近田政博
    • 総ページ数
      102
    • 出版者
      玉川大学出版部
  • [備考] 当科研成果報告書のPDFファイルを次のURLに掲載してあります。

    • URL

      http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/staff/chikada/19402046.pdf

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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