研究課題/領域番号 |
19402047
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
杉村 美紀 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (60365674)
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研究分担者 |
杉本 和弘 大学評価・学位授与機構, 評価研究部, 准教授 (30397921)
苑 復傑 財団法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (80249929)
羅 京洙 早稲田大学, アジア研究機構, 助手 (00434382)
LRONG Lim 香川大学, 留学生センター, 教授 (00262840)
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キーワード | 国際研究者交流 / 多国籍 / 留学生移動 / アジア / オセアニア / 教育文化交流 / トランスナショナル教育 / 高等教育 |
研究概要 |
本研究は、アジア及びオセアニアにおける留学生の国際移動が生み出す教育文化交流の潮流と課題を、国境を跨ぐトランスナショナル・プログラムの具体例をもとに明らかにするととを目的としている。 初年度の本年は、(1)第1次海外調査、(2)資料調査・収集と解題作成準備、(3)国際研究ネットワークの構築、(4)学会等での成果発表を行った.このうち海外調査としては、中国(杉村・7月および苑・3月)、韓国(羅・9月)、タイ(Lrong・2月)および否湾(杉村・3月)を実施し、現地の高等教育機関を訪問して具体的なプログラム概要や留学生受け入れ・送り出状況を調査した他、関係資料の調査収集にあたった。また、研究・打ち合わせ会合を上智大学において3回(6月、8月、3月)開催し、特に第2回目の会合では、国際研究ネットワークの構築として、A.ウロータ氏(香港大学教育学部)を招いての中国-ロシア間のクロスボーダー教育の実態についてヒアリンクを行った。同氏からは、香港大学を中心とする共同研究グループの紹介をうけた。さらに、本研究テーマに関連する学会発表を国内外で行い、アジア・オセアニアにおける留学生移動の動向(杉村:北京・7月)、アジア諸国における留学生政策の新段階(杉村・東京・10月)、マレーシアを基点とした高等教育戦略と留学生移動(杉村・東京・1月)、韓国の留学生政策と留学生移動(羅・東京・3月)についての成果を発表し、研究メンバーも討論に参加した。 これら一連の研究を通じて、近年、留学生移動がアジア域内で活発化しでおり、かつそれは、各国政府の政策枠組みとは別に、個々人の教育要求に後押しされる形で進んでいることが明らかになった。同時に、今後の研究課題としては、従来のような教育政策を中心とした国家の枠組みに加え、トランスナショナルな留学生移動を柔軟にとらえる新たな研究フレームワークの開発が必要であるとの認識に至った。
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