研究課題/領域番号 |
19403005
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
松尾 宏 国立天文台, 先端技術センター, 准教授 (90192749)
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研究分担者 |
江澤 元 国立天文台, 電波研究部, 助教 (60321585)
大島 泰 国立天文台, 電波研究部, 助教 (40450184)
河野 孝太郎 東京大学, 理学研究科, 准教授 (80321587)
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キーワード | 電波天文学 / サブミリ波 / 2次元アレイ / ボロメータ / 超伝導検出器 |
研究概要 |
マサチューセッツ大学の開発した波長1.1ミリ144素子ボロメータアレイAzTECをASTE望遠鏡に搭載し、系外銀河、銀河団、および遠方銀河サーベイなど多くの観測プログラムを実行した。南米チリ高地に設置されたASTE望遠鏡およびボロメータアレイの性能が十分発揮され、多くの科学的成果が期待される。 年度当初には、AzTECボロメータアレイのASTE搭載および試験観測を行い、アンテナ光学系の調整、データ取得及び解析手法、および液体ヘリウム・液体窒素の注入作業を含む運用体制を確立した。観測性能としては、ノイズレベルで1mJy(1σ)以下の画像取得が可能となり、アタカマ高原の大気透明度を生かした高感度の観測システムが実現した。 観測成果としては、近傍銀河の星間ダスト放射分布の観測、銀河団を中心としたスニアエフ・ゼルドビッチ(SZ)効果の観測、銀河団重力レンズを利用した遠方銀河探査、南黄極領域での遠方銀河探査などの観測を行いデータ解析を進めている。特に、銀河団方向の観測では非常に明るい遠方銀河の発見があり、本計画初年度での論文投稿となった。赤外線天文衛星「あかり」の銀河サーベイデータとの共同解析も進められており、平成20年度の観測へ向けて大きく弾みがついた。 SISCASM-9については平成21年度のASTE搭載を目指し実験室における改良および評価を継続している。 SISCASM-9による650GHzの観測によりAzTECの観測成果をさらに発展させることが期待できる。
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