研究課題/領域番号 |
19403009
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
津田 敏隆 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (30115886)
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研究分担者 |
児玉 安正 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30205421)
柴垣 佳明 大阪電気通信大学, 大学院・総合電子工学専攻, 准教授 (00319592)
中村 卓司 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (40217857)
古本 淳一 京都大学, 生存圏研究所, 特定助教 (10402934)
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キーワード | 大気波動 / 赤道大気 / 中間圏・熱圏下部領域 / 中波帯(MF)レーダー / 流星レーダー / GPS掩蔽 / 熱帯降雨観測衛星(TRMM) |
研究概要 |
この研究課題では、赤道域の中間圏・熱圏下部(MLT)領域において、MFレーダーおよび流星レーダーを用いて長年にわたって観測された風速データを用いて、平均風の変動および各種の大気波動の特性を調べることを目的とする。 当該年度には、インドネシアで長期運用している2台のMFレーダー(西カリマンタン州、Pontianak、および西ジャワ州、Pameungpeuk)ならびに流星レーダー(西スマトラ州、Koto Tabang)による連続観測を図ったが、Pontianak MFレーダーの制御システムを改修したため数ヶ月にわたり観測が停止した。しかし、それ以外のレーダー観測は順調であり、また国際協力により南インドのTirunelveliのMFレーダー等のデータを利用して、MLT領域における東西風の季節内振動(ISO)の時間変動と経度依存性を解析した。また、MLT高度の平均東西風・南北風の長期変動について、成層圏準2年周期変動(QBO)、エルニーニョ指数(ENSO)、また太陽11年周期活動との相関関係を研究した。これら2つの新しい研究成果は現在米国地球物理学会誌(J.Geophys.Res.)に投稿中である。 一方、下層大気との結合過程および水平構造を解明するために、GPS掩蔽観測データ(CHAMPおよびCOSMIC衛星群)、熱帯降雨観測衛星(TRMM)のデータも活用した。その結果、降雨域と成層圏における大気波動強度には時間・空間相関が認められた。特に、地上観測点があるスマトラと南インドではそれぞれ半年と1年周期で降雨強度が変化し、成層圏での大気重力波活動も同様の年周変化をすることが分かった。また、赤道域のインド洋から西太平洋域では、東半球側に比べて波動励起が活発であることも分かった。
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