研究課題
日本(京大RISH)、インドネシア(LAPAN)、オーストラリア(アデレイド大)の国際共同研究として、インドネシア西カリマンタン州のPontianak市で1995年以来、中波帯(MF)大気レーダーを運用してきた。これに、インドネシア西スマトラ州のToko Tabangの流星レーダー(2002年~)、西ジャワ州のPameugpeuk MFレーダー(2004年~)を加えたインドネシアの3点のレーダーによる中間圏・熱圏下部(MLT)領域の風速変動の解析が中心課題のひとつである。しかし、Pontianak MFレーダーは2008年に落雷の被害により観測を一時停止した。このため、レーダーの送受信モジュールおよび制御装置一式をアデレイド大に送り、修理を行った。設計当初から年月経っていることから、この機会に制御用PCの全面的更新を行った。また安定した観測に適した、3つの受信アンテナによる干渉計構成にアンテナ配置を変更した。これらの対応に予想以上に時間がかかり、2009年12月に装置類がPontianakに返送され、現地調整の後2010年2月に観測が再開された。その結果、研究計画の最後になったが約2ヶ月間にわたり3点におけるレーダー同時観測を実現できた。Pontianakレーダーの運転再開に向けての作業を進める一方で、2004-2008年に3台のレーダーで蓄積された過去の観測データを解析し、MLT領域で卓越した大気波動である一日周期およびその高調波の大気潮汐について、季節変化ならびに地域変動特性を明らかにした。太陽同期の主成分以外に、非同期成分も重要であることがわかった。本研究の成果をもとに、インドネシアの3つのレーダーを中心にアジアオセアニア域に分布する約20大の流星・MFレーダーをネットワーク化し、MLT領域の風速変動特性に関する研究を発展させる予定である。
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