研究概要 |
本課題は、中国の黄河に流れ込み、川底を上昇させている沈積泥砂の利用方法について検討するものである。沈積泥砂の削減と取り出した沈積泥砂を有効に利用するため、硬化させ黄河の防波堤や建材としての使用を考える。黄河は主流の長さが約5,500km,中国西部青海省の山岳地帯を源流域として東方に流れ,甘粛省,寧夏回族自治区,内蒙古自治区,山西省,陝西省,河南省,河北省,山東省を流下して渤海に注いでいる。本年度は、現地調査を行い、水熱硬化に適した場所の特定を試みた。黄河を上流・中流・下流と分類し、それぞれ銀川・西安・鄭州を調査地域として、沈積泥砂の採掘を行い、取り出した泥砂の分析(粒子サイズ、組成、溶出イオン)した結果、主成分がSiO_2であることを明らかにした。また、防波堤への応用を検討するために、水熱硬化を行った。沈積泥砂に、消石灰を適量添加し、水熱合成による硬化の有無を調査した。消石灰との混合量や水熱合成時間の検討は必要であるが、20MPaの曲げ強度を持つ水熱硬化体の作成に成功した。
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