研究概要 |
(1) 中国湖沼,メコン川での水分析,ならびに調査体制の確立 a) 対象水域の決定 地域の水資源の中心であるものの,水質汚濁が進行中である中国の太湖,〓池,カンボジアのトンレサップ湖を,その湖面積の広さやCase II水域であることから調査対象湖沼に選定した. b) 調査体制の確立と水域での調査 夏に中国科学院の水生生物研究所(武漢),地理湖沼研究所(南京)を訪問し,本研究計画,太湖,〓池における調査計画を説明し,共同研究として行うことを合意した.また,トンレサップ湖調査に関しては,金沢大学塚脇准教授の科研グループに様々な支援を頂くことを依頼した.10月に〓池,1月にトンレサップ湖を訪れ,それぞれ数地点において湖水や河川水の反射スペクトル測定を行うとともに,採水し,植物プランクトン種の同定,クロロフィルa,フィコシアニン(藍藻類特有の色素),無機濁質濃度の測定を行った.また,いくつかのサンプルをろ過し,ろ紙上の粒子サンプルを顕微鏡でデジタル撮影し,植物プランクトンと無機濁質に分離し,それぞれの粒度分布を測定した.(2) 現場スケールでのend member標準反射スペクトルの推測 霞ケ浦,牛久沼等,日本国内のCase II水域の懸濁物質を例として,a) 植物プランクトン,無機濁質の種類と粒度分布,b) 吸収,散乱,反射スペクトル特性を測定した.これらをもとに,植物プランクトンと無機濁質の基本情報を反射スペクトル予測モデルに代入し,各end memberの現場スケールでの標準反射スペクトルを予測した. (3) 対象水域の衛星画像の解析 時間分解能が高いAqua/Terra MODISを解析対象の衛星画像とした.まず,2005年以降,対象水域において鮮明な衛星画像が撮影された日時をデータベース化した.また,鮮明な画像をダウンロードし,SDA法を適用するデータベースとして整理した.
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