研究課題/領域番号 |
19404020
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 准教授 (70243087)
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研究分担者 |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
三原 久明 京都大学, 化学研究所, 助教 (30324693)
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キーワード | 低温適応微生物 / 低温菌 / 好冷菌 / 低温物質生産 / 低温誘導性遺伝子 / タンパク質分泌生産 |
研究概要 |
南極海水から分離した低温適応微生物について、低温適応機構の解明と低温物質生産システムへの応用を目的として、低温誘導性遺伝子群を同定した。広宿主域プラスミドpJRD215をベクターとして、プロモーター領域をもかないβ-ラクタマーゼ遺伝子の上流域にShewanella livingstonensis Ac10のゲノムDNA断片を挿入してライブラリーを構築した。E.coli S17-1を宿主としたライブラリーを接合伝達によってS.livingstonensis Ac10に導入し、アンピシリンを含む寒天培地上、4℃での生育速度を指標として高いβ-ラクタマーゼ活性を示すものを選抜した。得られた株を4℃と18℃で培養し、4℃でβ-ラクタマーゼが誘導生産されるものを選抜した。それらが保持するプラスミドのβ-ラククマーゼ遺伝子の上流配列を解析することにより、低温誘導性のプロモーター配列を同定するとともに、S.livingstonensis Ac10ゲノムにおいてこれらのプロモーター配列の下流に存在する遺伝子を同定した。これらの研究により11種の低温誘導性遺伝子を明らかにした。微生物の低温適応機構を解析する上で重要な手がかりを与える知見と考えられ、また、低温適応微生物を宿主として低温誘導的に物質生産するシステムを開発する上でこれらのプロモーターは有用であると考えられる。一方、北極圏ツンドラ地帯から分離した低温適応微生物のうち、タンパク質の分泌生産能に優れたものについて、これを宿主とした低温物質生産システムを開発すべく、分泌高生産されているタンパク質の細胞外移行機構を解析した。
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