研究課題/領域番号 |
19405001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 秀紀 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30249908)
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研究分担者 |
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (10211723)
押田 龍夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50374765)
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キーワード | アジア・インド洋圏 / 家畜化 / 狩猟誌 / 家畜 / インベントリー / 文化財科学 / 形態学 / 生態人類学 |
研究概要 |
アジア・インド洋圏各国における標本資料の収集・収蔵体制を継続し、現地における標本・資料に基づく家畜化・狩猟誌の解析を進めた。基盤研究海外学術調査の特性を活かし、各国の既存設備やノウハウを最大限に活用しながら、現地での保存科学水準の高度化を推進し、実際の研究解析結果の総合化・深化を実現したといえる。各調査地域で、研究者、関連学術組織、文教行政間の連絡システムを高度なネットワークとして結びつけ、現地各機関との連携を図ることで、アジア・インド洋圏における研究と平行した恒久的な資料保存体制の確立とその効果的な運用を行った。未来へ向けた資料保全体制の開拓のため、現地各機関の研究陣・行政システムを円滑に機能させた。研究組織全体で各領域を分担し、調査・研究を進めた。チュラロンコン大学、カセサート大学、ベトナム国立生物多様性研究所、ラオス国立農林研究所、イスタンブール大学、アンタナナリボ大学との関係を強化し、また、研究組織の乏しいスリランカでは国内の狩猟誌・民族学研究組織との共同作業を進めた。各調査地域と日本国内の収蔵研究組織の間で、現実的なキュラトリアルワークの体制を構築しつつ、家畜化と狩猟誌における総合的テーマの解析を深めた。日本国内の標本資料収蔵組織間に必要な研究連絡体制の整備や、国内収蔵資料による比較総合研究を推進した。またとくに家畜化過程を解析するために、原種集団や関連野生集団、在来家畜も分析の対象として重視、セキショクヤケイの標本蓄積や標本の学際的解析では特に効果をあげたといえる。国内での標本収蔵効率を上げることにも成功し、三次元デジタイザーによる標本デジタル情報の高度化に成功した。
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