研究分担者 |
齊藤 誠一 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (70250503)
帰山 雅秀 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (80305937)
工藤 秀明 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (40289575)
矢部 衞 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (80174572)
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研究概要 |
季節海氷域である当該海域における海洋環境と海洋生態系の応答を明らかにすべく, 2008年6月から7月までの間に本学練習船「おしょろ丸」による観測をベーリング海およびチャクチ海において実施した. 過去最小の海氷面積となった昨年よりも1ヶ月早い観測時期であったため, 北緯70度-71度において海氷縁に達し, オッタートロールを含む各種ネットを用いたプランクトン, 魚類, 底棲生物サンプリングと海洋観測を行った. 船尾オッタートロール調査は計15回行い, 14科34種4未同定種群の魚類を採集した. このうち, ホッキョクダラとアカガレイ属未同定種群は10地点以上で確認された. なお, 本調査では過去に比べて小型魚類が多く採集されたが, これは網目のサイズに起因する可能性が高い. 衛星リモートセンシングを利用した観測では, 太平洋水流入が海氷の挙動に影響を与えていると考えられるバロー沖をモデルとして解析を行ったところ, 植物プランクトンブルームの時期と規模が海氷融解と太陽放射増加のタイミングに依存していることが明らかとなった. また, 衛星の光学データを利用し大型・小型植物プランクトンの優占率を推定するアルゴリズムを開発し, 67%の確率で推定することが可能となった. 海洋生態系と生息魚類との応答として, サケ属魚類の摂餌生態と環境中の餌生物群集との関係を調べた結果, 同属でも大量に普遍的に分布する小型の餌生物(e. g., Neocalanusplumcrus)より出現数は少ないものの大型の餌生物(N. cristatus)を選択的に摂餌することが分かった.
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