本研究は、アジア地域に広く分布するアリ類、特にツムギアリとアシナガキアリの分子系統地理解析により、インド・レフュージア仮説の検証を目的としている。 分析するDNA領域は、先行研究によって適度な変異性を確認したmtDNAのCO1とCyt b遺伝子領、および核DNAのマイクロサテライトDNAである。 これまでに採集した東南アジア各地の標本に加え、本研究でインド、スリランカ、アフリカの標本を得、これらのアリの起源と拡散の歴史を明らかにする。特にインドと東南アジアにおける拡散パターンを比較し、インドがレフュージアとして利用された可能性を検討する。
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