研究課題/領域番号 |
19405016
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
篠田 謙一 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, グループ長 (30131923)
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研究分担者 |
加藤 克知 長崎大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70018703)
北川 賀一 長崎大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70186237)
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
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キーワード | アンデス古代文明 / ミトコンドリアDNA分析 / 形態学的研究 / 安定同位体分析 / インカ / シカン |
研究概要 |
本年度は2回の調査旅行を実施した。1回目は平成21年9月に実施し、ペルー・クスコ文化庁での発掘人骨の調査とマチュピチュ遺跡周辺の遺跡調査(サラ・プンク遺跡)を実施した。クスコ文化庁では、収集されたインカ時代の人骨の形態学的な研究と、DNA分析を行うためのサンプル約100体分(サラ・プンク遺跡、カナマルカ遺跡、パタリャクタ遺跡出土人骨)を採取した。これらのサンプルは現在クスコ文化庁に輸出申請を行っている。 2回目の調査は21年12月に実施した。クスコ文化庁での調査を行った後、インカの創世伝説の地とされているアルティプラノ地域(チチカカ湖周辺)の調査をペルーのセントロマルキ研究所との共同研究という形で実施した。プーノ市にある国立高地大学に所蔵されているインカ時代の遺跡(チカワチ遺跡)から出土した人骨の形態学的な調査とDNA分析のためのサンプル(20体分)を採取した。 この2回の調査によって高地集団とクスコ周辺のインカとの遺伝的な関係を知るために必要なサンプルを採取することが出来たので、今後、ペルーでの輸出許可が出次第、DNAと安定同位体の分析に取りかかる予定である。 成果の発表としては、21年4月に開催されたアメリカ考古学会で、北海岸の紀元前後から現代までの集団の遺伝的な変遷についてミトコンドリアDNA分析の結果を発表した。また国立科学博物館で開催された「シカン展」でもその成果を発表している。シカンに関しては、現在ペルー国会出版局から英文とスペイン語で書かれた論文集の出版が決まっており、22年度中には出版される予定である。
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