研究課題/領域番号 |
19405018
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研究機関 | 独立行政法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
坂上 潤一 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境領域, 主任研究員 (70399369)
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研究分担者 |
伊藤 治 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境領域, 領域長 (70142106)
生井 幸子 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境領域, 研究員 (70442720)
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キーワード | 天水田 / イネ / 遺伝型・環境型 / 西アフリカ / 生産制限要因 |
研究概要 |
アフリカイネ5品種、アジアイネ8品種、アフリカイネとアジアイネの種間雑種であるNERICA 12品種の計25品種を用い、西アフリカのギニア国キンディア県(標高320m、北緯10°0'、西経12°9')の半径3Km以内にある4か所の天水田圃場で試験を行った。試験区は3反復乱塊法を用い、畝間30cm株間20cm、1区60株(6畝×10株)とした。移植日前日に窒素、リン酸、カリをそれぞれ30kgha^<-1>施用した。除草は適宜行い、灌漑は行わず天水条件とした。収穫は品種の登熟状況に応じて、概ね10月〜11月に行った。 収量と1株当たりの穂数データを、コンピューターソフトJMP7.0(SAS Japan)を用いて、階層型クラスター分析(Ward法)に供した。供試した25品種は4グループに分けることができた。このグループについて、収量(YD)、登熟歩合(RG)、1穂あたりの頴果数(NS)、1株当たり穂数(NP)、千粒重(TG)について調査した。目的変数を収量とすると、YD=-0.558+(0.00341×RG)+(0.00250×NS)+(0.0172×NP)+(0.00723×TG)としてあらわすことができ、収量形成において、RGが47.6%、NSが29.6%、NPが13.1%、TGが4.8%寄与していた(R=0.975)。品種グループI,IIは、どの試験地でも高い収量を示し、特にIはNSが多くNPが少ない穂重型の草型の特徴がみられた。IIIはNPが多いもののTG、NSが小さく、YDが比較的低かった。IVはTGが比較的高いもののその他の収量構成要素が小さく、収量が低かった。圃場の水条件が試験地の移植前の主要土壌養分よりも大きく収量性に影響を与えた可能性が考えられた。環境条件と品種の収量形成の関係については、土壌水分状態の調査などを行い、より詳しく検討する必要がある。
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