海外の隔離圃場で植栽され組換えポプラ、ユーカリ、シダレカンバ、そして網室レベルのファルカータとアカシアを対象とした。海外における遺伝子組換え樹木の野外試験と実用化検証さらに安全・安心の再検証等を調査した。細胞壁構造を理解するために、様々な糖鎖分解酵素を発現する組換えポプラが作出されてきている。これは、除草剤耐性や対虫性の付与といった従来型の組換え植物ではなく、細胞壁構造の改良を目標とした樹木の育種を目指すものである。 再造林(reforestation)や裸地造林(afforestation)による森林の再生、それに連動したバイオマス産業促進による経済の活性化が、先進国においても発展途上国においても、地球レベルで望まれていた。「自然・ヒト・地球共生型社会」をベースにした循環型社会の構築のために、樹木の育種が重要視されていた。遺伝子組換え技術は、より早く、より確実に樹木を改良できる手法として最も有力なものである。ただし、遺伝子の拡散や一斉植林による生態系の撹乱など、新たな環境問題を起こさないよう、生物多様性等の試験は検討していた。世界に発信できる有効な技術・政策を考動しながら植林を進める必要があると確認した。
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