研究課題/領域番号 |
19405038
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松野 裕 近畿大学, 農学部, 准教授 (50340766)
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研究分担者 |
八丁 信正 近畿大学, 農学部, 教授 (00268450)
堀野 治彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (30212202)
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キーワード | 海外研究 / ミャンマー / 灌漑排水 / 圃場整備 / 水稲作 / 農民組織 / 水文 / 水管理 |
研究概要 |
本研究は、ミャンマーの灌漑地区をケースとして、アジアの乾期水田稲作における適正な農民参加型末端水利施設の整備及び水管理手法の検討のための研究を行うことを目的として実施されたものである。研究初年度である本年度は、南部低地に位置するヤンゴン近郊の比較的近年開発されたガモエ灌漑地区において、乾期を対象とした末端水路(3〜4次水路)受益地域の水文要素のモニタリング、水利状況の調査、ならびに農民聞き取り調査を実施した。 まず、調査事前準備として平成19年8月に現地に赴き、研究協力機間であるミャンマー農業灌漑省・灌漑技術センターと共同で現地踏査を行い現況の把握後、モニタリング地区を確定し研究調査の細部を調整する作業をおこなった。また、現地において二次資料を入手した。 モニタリング対象地区では次の項目についてのデータおよび情報収集を行った:1)水文・水利情報モニタリング(3次水路の流量観測、気象情報、圃場の湛水深変化、末端圃場までの取水経路などの記録)、2)農家のベースライン情報(土地利用、米育成状況、米収量、肥料・農薬・労力などの投入と収益、灌漑期間の水管理状況、灌漑期間の水利組織活動状況など)、3)水利組織運営状況調査(組織ルール、組織運営方法、水路の維持管理方法、運営上の課題などについての聞き取り)。 計測機器の設置については、11月現地訪問時に実施し、2月に再度訪問し動作確認を行った。また、流量観測および湛水深測定については、自動計測機器を設置し灌漑期間中に継続して実施した。 得られたデータ・情報から、対象灌漑地域の1)水稲を中心とした作物の生産性・営農状況の把握、2)生産性と水文要因との関連性の摘出、3)水利用効率の定量化、ならびに4)水利組織の運営状況の把握と課題の摘出を行うが、農地によっては4月以降も耕作をおこなっているため、本乾期のデータがすべて揃うのは来年度となる。
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