研究概要 |
研究初年度である2007年度は、基礎的なデータの収集とその解析を中心に研究を行った。1.水稲栽培環境の観測ソクチャン省において塩水遡上の影響が異なる地点(3県各3圃場,計9圃場)に観測サイトを設け、水田および灌概水路における塩分濃度、pH、水田水位、土壌水分、気象条件、ならびにイネ生育の長期連続観測を開始した。2.統計等、既存資料の解析過去の河川水路の塩分濃度、気象、水稲統計データを収集し両者の関係を解析した。その結果、塩水遡上は収量よりもむしろ栽培面積に及ぼす影響が大きいこと等が明らかになった。3.衛星画像の解析多時期の衛星画像を用いて水田における植生指数の時間変化を解析し、作付暦(播種日,出穂日,収穫日)の空間分布と年次変動を明らかにした。また、GPSを用いて現地調査を実施し、衛星画像解析結果の検証を行った。4.栽培様式に関する調査メコンデルタの沿岸部各省(ソクチャン、バックリュウ、カーマウ省)を対象として、衛星画像の解析から示唆された特徴的な地域(作付暦や土地利用の変動が大きい等)を重点的に調査し、地域の農家、水利管理組織、ならびに農業普及所において水管理・作付け体系・栽培管理技術等に関する情報を収集した。
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