研究概要 |
実証研究1):タイ国プリンスオブソンクラー大学自然資源学部(タイ国ハジャイ)において、放牧育成したタイーケダー雄牛および交雑種牛に対して3つの栄養水準(全期低栄養(L区)、前期低栄養-後期高栄養(LH区)、全期高栄養(H区)を設定し、試験を開始した。試験の初期において、LおよびLH区はDG0.3kg、H区はDG0.6kgであった。実証研究2):ネパール国トリブバン大学農畜産部(ネパール国チトワン)において、ムラー交雑種雄水牛に対して3つの栄養水準(全期低栄養(L区)、前期低栄養-後期高栄養(LH区)、全期高栄養(H区))を設定し、終了時体重を250kgとして、低栄養期間には体重の0.75%、高栄養期間には体重の1.5%の濃厚飼料を給与し、1%尿素処理イナワラを飽食させた。全肥育期間における総乾物摂取量(DMI, kg/day)は、L区・LH区・H区が4.9・5.0・4.9で差がなかったが、日増体量(kg/day)、飼料要求率(kg DMI/kg gain)は、L区・LH区・H区が各々0.46・0.57・0.69、11.1・9.0・7.3でL区とH区の間に差が認められた(P<0.05)。調査研究:ネパール国チトワンの水牛を飼養する小規模農家30戸において、育成水牛への給与飼料を調査した。代謝体重当たりの給与量において、可消化養分総量(TDN)、粗蛋白質(CP)、カルシウムおよびリンが、乾期が雨期と涼乾期より有意に低く、乾物、TDNおよびCPは所要量(Kearl, 1982)より低かった。また、ネパール国ポカラのランパタン牧場において2008年7月と2009年3月にムラー種育成水牛の体重、体長、体高、十字部高、胸囲および腰角幅を測定し、成長状況を調査した。雄68頭と雌84頭の測定値から重回帰分析した結果、胸囲と腰角幅を用いての体重推定式が算出できた。
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