研究概要 |
実地試験1):南タイにおいそ2つの栄養水準(前期低栄養-後期高栄養(LH区)および全期間高栄養(H区))を設定した肥育試験を終了し、現在成果をとりまとめている。実地試験2):同様のCP、Ca、P含量を有するように、トウモロコシ粉、からし油粕、米ぬか、ふすまを配合した従来型の濃厚飼料と、ネパールの小規模農家における利用を目的としてビール粕、トウモロコシ粉、ナタネ粕、稲わらを配合して調製した発酵TMRを用いた。在来種のヤギを供して、濃厚飼料あるいは発酵TMRを稲わらと乾物比1:1で併給する区、および稲わら単独給与の3区を設定して消化試験を行った。一方ムラー系雑種水牛を供して、稲わらを飽食させた上で体重の0.6%乾物量の濃厚飼料を給与するC区、発酵TMRを体重の0.6%および1.2%乾物量を給与するT1区とT2区の3区を設定し、泌乳試験を行った。各飼料の乾物中CP、NDFom、ADFom含量(%)は濃厚飼料が18.41、27.52、13.67、発酵TMRが17.56、40.02、21.23であった。間接法によって算出されたMDFomとADFomの消化率(%)は、発酵TMRが88.6と52.4で、濃厚飼料の82.2と49.4に比べ高かった(p<0.05)。水牛の日増体量(g/day)はT2区(0.42)がC区(-0.18)とT1区(-0.17)に比べて高かった(p<0.05)。総乾物摂取量(kg/day)はT2区(12.8)がC区(10.3)とT1区(10.8)よりも高かった(p<0.05)。4%脂肪補正乳量(kg/day)はT2区(3.89)がC区(3.05)とT1(3.00)よりも高かった(p<0.05)。調査研究:ネパールにおける乳用水牛の乳生産性と繁殖性の明示を目的として、雌水牛56頭の産次、分娩日、子水牛の出生時体重、乳量および泌乳期間を調査した。初産次において、出生時体重が2、4および5産次より小さく(初産次:29.1kg,P<0.05)、乳量は5産次までで最低であった(初産次:4.0kg/日,P<0.05)。しかし、2から5産次においては出生時体重と乳量に有意差はなく、泌乳期間には産次の違いによる有意差はなかった。出生時体重は雄が雌より大きかった(32.4vs.30.2kg,P<0.05)。分娩間隔は産次の違いで有意差はなく、338から1033日と個体差が大きく、平均で630日であった。
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