研究概要 |
本研究課題は平成19年より平成21年までの3ヵ年にわたり,ヤケイと在来鶏間にみられる遺伝的関係を分子遺伝学的手法と外皮形質を遺伝標識とした集団遺伝学的解析および生態学的調査によって明らかにし,東南アジアにおけるニワトリの家畜化センターを特定するために実施されるものである。なお現地調査および試料収集にあってはカセサート大学(タイ)からの共同研究者の支援を頂いた。 タイにおける調査は南東部であるChantaburiおよびTrat県、北部であるNanおよびChiang Rai県でのセキショクヤケイの生息域および在来鶏との交流状況について調査した。いずれの地域においてもヤケイおよびヤケイと在来鶏との交雑種を確認し、形態計測および血液サンプルの採取を実施した。さらにKamphaeng Phet, AyutthayaおよびChachoengsao県に分布する史跡等を巡りニワトリに関する歴史的な資料も収集した。採取された血液サンプルについてはカセサート大学獣医学部にてDNA抽出を行い、解析しさらに今後の分析のため保存している。 また、上述の地域を調査する際には,タイに隣接するミャンマーおよびカンボジアにおけるヤケイおよび交雑種の情報を国境付近において収集し,今後の調査のための貴重な情報を得ることができた。
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