研究概要 |
平成21年1月7日から17日まで、カセサート大学獣医寄生虫学教室のサタポン教授らと共に、タイ北東部のウボンラチャタニを中心として5地域の水牛305頭から血液サンプルを採取し、血清ならびに遺伝子診断を行った。 タイ北東部のUbon Ratchathani、Roi Ed、Burirum、Surin、Srisakhetからそれぞれ54例、59例、69例、73例、50例を採集し、塗抹標本によるバベシア原虫の検出Babesia bovisの5種類の組換え抗原を用いたELISA診断法を行った。その結果、spherical body蛋白4を用いたELISAが最も高い検出率(20%)を示し、間接蛍光抗体法(IFAT)と高い相関を示した。また、性別における感染率には有為な差は認められなかった。しかし年齢別では、4~6歳群の水牛は、1~3歳群,7歳以上群よりも有為に高い感染率が認められた。PCR及びnested PCRによる遺伝子検出ならびに遺伝子解析については現在検討中である。 また、B.bigeminaに対するIFATおよびELISAの陽性率は1.3%および2.3%であり、B.bovis感染に比較して,低い事が明らかとなった。
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