研究課題/領域番号 |
19406005
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小路 武彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30170179)
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研究分担者 |
菱川 善隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60304276)
佐藤 陽子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50398963)
和泉 伸一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40264246)
安倍 邦子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (00253641)
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キーワード | ミャンマー / 肝癌 / 鉄 / 肝炎ウイルス / 増殖活性 / 肝再生 / 分子組織化学 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
ミャンマー国では、肝癌の発症は30代前半から見られ、日本に比べ10-15才低年齢での肝癌死亡例が多数経験されている。実際、HBVのキャリアー率は25%を超え、またHCV感染者の割合も輸血等を介して急激に上昇してきているが、肝癌発症の若年齢化との直接的因果関係は明らかでない。我々は、この若年齢発癌の原因の一つとしてミャンマー国土に高濃度で含まれる鉄の過剰摂取の関与を疑い、これまでミャンマー人肝癌組織を多数採取し検討した結果、試料の大多数はHCV陽性であり、日本のHCV陽性肝癌試料と比較して顕著な鉄貯留と共に、増殖活性の増大との有意な相関を見い出した。本研究ではミャンマー国の広い地域から特にHBV陽性肝癌試料に注目して検討すると共に、鉄沈着による肝細胞増殖促進の分子機序を鉄過剰摂取ラット実験モデルでの結果も踏まえ解明することを目的とした。本年度は、平成21年12月20日から12月28日にかけてヤンゴン、ネピドー、マンダレー各地域の医学研究局(DMR)或いは研究者を訪問し、1)ヤンゴンのDMR(Lower Myanmar)でこれまでの講習会参加者多数の出席のもと組織化学の実施状況やウイルス依存発癌解析上の問題点を議論した。2)ネピドーのDMR(Central Myanmar)に於いて、内外から25名前後の医学研究者・技術者の参加のもと第8回wet-lab講習会を開催し、エストロゲン受容体を標的として免疫組織化学とサウスウェスタン組織化学の実技実習を行った。3)肝癌試料を併せて20例を解析した結果、HBV陽性例は7例で、その内5例はHCVとの重複感染であった。HBV単独感染では鉄沈着は認められず、両ウイルスの発癌誘発機構の差異が見い出された。4)鉄過剰摂取ラットモデルにて、部分肝切除後のヒトKGF投与では鉄による肝細胞増殖の早期化をむしろ阻害する効果が見い出され、KGF分子の種差による機能の相違が推察された。
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