研究概要 |
資料収集 今年度は連携研究者太田とともに韓国Daegu市keimyung大学病理学教室に赴き,病理診断について意見を交換した。また,keimyung大学病理学教室より髄膜腫33例,中皮腫4例の組織標本について供与を受けた. 国内においては自治医科大学,愛知がんセンターなど数施設に協力を要請,倫理委員会で審査中である. SV40の検出 昨年度に引き続き,Manfrediらの方法に準拠し(Cancer Res 65:2005),Primer PQ(5027-4911),Primer SV(4476-4372),PrimerN'K'(3106-2966)の三断片の増幅でSV40の有無を検討する.この方法を用いると,比較的安定した結果が得られ,コントロール実験の結果から,DNA抽出,PCR施行時のベクター混入の危険性を十分回避できているものと考えている. 東大における胸膜中皮腫11例,肺癌10例,脳腫瘍(上衣腫8例,髄膜腫14例)(ホルマリン固定,パラフィン包埋標本),中皮腫細胞株7株のいずれにもSV40の存在は確認されなかったが,昨年度の解析によって韓国例の髄膜腫33例中1例から3断片とも検出された.今年度も引き続き,症例数を増やして検討を続ける. 韓国例の中にSV40断片が検出できる症例が見出されたことから,この症例については塩基配列の確認とともに存在様式を詳細に検討する必要がある.また,臨床病理学的特徴についてKeimyung大学の協力者に詳しく検討してもらう予定である. 連携研究者:太田聡講師(人体病理学分野),柴原純二助教,森川鉄平助教(医学部附属病院)
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