研究課題/領域番号 |
19406007
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
蓮井 和久 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70198703)
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研究分担者 |
出雲 周二 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30143811)
金蔵 拓郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70177509)
松山 隆美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30145479)
栄鶴 義人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00041351)
河野 嘉文 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20260680)
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キーワード | 中国東北地方 / 鼻咽頭リンパ腫 / NK / T細胞性リンパ腫 / EBV / サバイビン / 細胞死 / 自己貪食細胞死 / 環境因子 |
研究概要 |
この研究は、鼻型Natural Killer (NK)/T細胞性リンパ腫(NKTCL)の多発地域の134例の鼻咽頭リンパ腫とそれらへのEpstein-Barr virus (EBV)感染を再検討し、鼻咽頭リンパ腫とその関連病変の発症状況とEBV感染の実際を明らかにすると共に、40例で細胞死を免疫組織化学的に検討した。NKTCLでの男性優勢の発病、鼻咽頭B細胞性リンパ腫の40才以下での発病の有意な低くさが明らかになった。NKTCLでは、サバイビン陽性リンパ腫細胞はEBV感染リンパ腫細胞を包含し、EBV感染よりもリンパ腫発生が先行することが示唆された。特異な壊死を示すEBV感染NKTCLでは、Bc1-2の有意な発現低下と強発現のサバイビンによるアポトーシスの抑制、自己貧食関連分子であるBeclin-1と特異な染色様式を示すLC3による亢進した自己貪食細胞死が示唆された。自己貪食の標的細胞小器官であるミトコンドリアと自己貪食された小器官等の分解に関与するリソゾーム酵素であるカテプシンDの解析は、EBV感染NKTCLでのBeclin-1に代る自己貧食亢進刺激とリソゾーム酵素産生低下、不十分な自己貪食空胞リソゾームでの分解不全を示唆した。11例のサバイビン陽性EBV非感染微小扁平上皮癌は、EBV感染NKTCLに見られ、EBV感染に先行する環境因子の存在を示唆した。この検索の結果は、中国で多発する鼻咽頭に限局したNKTCLの存在とその病態を明らかにした。
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