研究課題/領域番号 |
19406007
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
蓮井 和久 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (70198703)
|
研究分担者 |
出雲 周二 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30143811)
金蔵 拓郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (70177509)
松山 隆美 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30145479)
栄鶴 義人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (00041351)
河野 嘉文 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (20260680)
|
キーワード | 人体病理学 / 鼻型NK/T細胞リンパ腫 / 鼻咽頭扁平上皮癌 / Epstein-Barr virus(EBV) / 活性酸素種(ROS) / inducible nitric oxide synthase (iNOS) / CD204陽性樹状細胞 / 中国(東北地方) |
研究概要 |
研究最終年度の検索として、Epstein-Barr virus(EBV)関連のNK/T細胞リンパ腫(NKTCL)での報告されている点突然変異の蓄積の原因を、DNAの酸化とニトロ化を、8-OHdG、Thymidine glycol (TG)、Nitroguanosine(NG)、inducible nitric oxide synthase(iNOS)の免疫染色で検討した。その結果、NKTCL細胞は強い抗酸化性を示し、点突然変異の蓄積はNKTCL発症前の外的酸化刺激によることが示唆された。EBV関連の自己貪食亢進に伴う特異な自己貪食細胞死病変を示すNKTCL細胞は、自己貪食亢進に伴う内的活性酸素種発生によるDNA酸化を示した。鼻咽頭リンパ腫病変の粘膜の呼吸上皮や扁平上皮は、DNAの酸化とニトロ化を示し、外的刺激の存在を示唆した。介在マクロファージ等を検索すると、iNOS発現はあるもその産物によるニトロ化は生じておらずに、NKTCLに合併する例を含む微小扁平上皮癌とB細胞性リンパ腫では少数のCD204とiNOS陽性のtumor-associating macrophages(TAM)の介在を認め、NKTCLではCD204とiNOS陽性の共生的樹状細胞を認め、腫瘍細胞、TAMと共生的樹状細胞との相互依存がそれぞれの病態形成を特徴付けることが示唆された。EBV関連NKTCLの関連病変の試験的検索では、中国での腸管症T細胞リンパ腫の予想以上の多発が確認され、全身的なNK細胞腫瘍の中でのNKTCLと腸管症T細胞リンパ腫の発症に関する共通性と特異性の検索の必要性が示唆された。変異原としてのactivation induced cytidine deaminaseの生理的な発現の検出には、超々高感度免疫染色による検討が今後必要であることが判明した。
|