研究課題
本研究は年度ごとのフィールド調査活動の成否自体が成果であり、全ての成果を総括できるのは3年満了時となるため、今年度の成果としては班員や協力者による出張記録を列記し、各々に簡単な考察を加える。海外活動(各国情勢や班員の事情で中止した分はあるが概ね実施)・フランス(2008年5月;マルセイユ市):リケッチア国際学会で、南西日本-大陸の共通性病種につき紹介した。・中欧(2008年9月;アルプス周辺の農山間地域):ベクター調査と疫学視察を通じて欧州-アジア共通性の実態を把握。・中国(2008年11〜12月;浙江省の北〜中央部):試料の様々な解析から、環東シナ海に共通するベクターや病種を確認。国内活動(国内で東シナ海地域と隣接または共通性をみる地域で調査)・鹿児島県(2008年4月に甑島列島;2009年3月に屋久島、種子島):環東シナ海の重要ベクターの分布パターンを確認。・福岡県(2008年5月;対馬列島):朝鮮半島に面した島嶼のベクターや病種につき日本本土との共通性を比較調査。・和歌山県〜三重県(2008年5〜6月;紀南地方、志摩半島):紀伊半島に多発するリケッチア症につき大陸共通性を調査。・北海道(2008年6月;利尻、礼文島含む道北地方):同地域には高頻度で欧州共通性リケッチアが分布する事実を証明。・沖縄県(2008年9〜10月;宮古島):日本西端地域で初のリケッチア症(台湾株相同)を見出し、環東シナ海共通性を認。・長崎県(2008年11月;中通島):環東シナ海の島嶼としてベクターや病種につき日本本土との共通性を比較調査。以上、主に南西日本〜中国において、ベクターと病原体の大陸-日本共通性や拡散経路を調べ、南北で色分けされるパターンが見えてきた。個々の成果は、日本衛生動物学会総会、同西日本支部会、北陸病害動物研究会、日本感染症学会総会など春、秋の学会で発表、また班会議でも討議した。
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http://www9.plala.or.jp/sadi/