研究課題/領域番号 |
19406012
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
川本 文彦 大分大学, 全学研究推進機構, 教授 (40115556)
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研究分担者 |
神戸 俊夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50093018)
大塚 靖 大分大学, 医学部, 助教 (00244161)
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キーワード | 国際研究者交流 / インドネシア:ベトナム / 熱帯熱マラリア / 新型原虫 / 分子疫学調査 / ヒトマラリア原虫 / 遺伝子解析 / 生殖母体培養 |
研究概要 |
新型熱帯熱マラリア原虫の分子疫学的解析と生殖母体の培養の試みを実施するため、ベトナム、インドネシアにおいでアクリジンオレンジ(AO)法によるマラリア迅速診断法を用いて、マラリアの分子疫学調査を実施した。これらの調査から得られた熱帯熱マラリア原虫の野性株を用いて、新型原虫の検出と分子疫学的遺伝子解析、および生殖母体の培養を試みた。 (1) インドネシアでは、4月、6月、8Aにフローレス島、東ヌサテンガラ州シッカ県とラランツカ県、およびスラウェシ島、北スラウェシ州ミナハサ県において疫学調査を行い、多数の熱帯熱マラリア原虫野生株を得た。しかし、新型の熱帯熱マラリア原虫は見いだせなかった。 (2) 9月にベトナム・ラムドン省バロックを訪問し、バロック近郊の村落においてマラリア患者の迅速診断を行ったが、バロック近郊では既にマラリアが消失しており、患者は検出されなかった。バロック病院に来院した外来患者のマラリア診断も実施したが、三日熱マラリア患者のみで熱帯熱マラリア患者は検出されなかった。三日熱マラリア患者の血液に生殖母体が観察され、培養を試みたものの、不成功に終わった。ベトナムではACT(アルテスネート混合治療法)が導入されており、マラリアが激減しているものと考えられた。 (3) 11月および12月に再びインドネシアの北スラウェシ州ミナハサ県とフローレス島・マウメをレ訪問し、疫学調査を実施した結果、4名の熱帯熱マラリア患者が見出されたが、新型熱帯熱マラリア原虫は検出できなかった。 東南アジア諸国ではACTが導入されて以降、マラリア患者が激減しており、そのため新型熱帯熱マラリア患者の検出が困難であったが、今後も継続して疫学調査を行い、新型原虫と旧来型の比較検討を行いたい。
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