研究課題/領域番号 |
19406014
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
一瀬 休生 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70176296)
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研究分担者 |
金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907)
辻 孝雄 藤佃保健衛生大学, 医学部, 教授 (60171998)
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キーワード | 下痢症 / 病因論的分析 / 疫学 / DSS / マルチプレルスPCR / 宿主抵抗性 |
研究概要 |
本研究は、途上国で乳幼児の高い死亡原因となっている下痢症の実態の解明とともに高いHIV/AIDS陽性率を示す地域における下痢症の意義を探るのが目的である。 1)ケニアにおける当研究拠点のラボの整備状況ナイロビのラボの整備については2年前からP3の導入とともに、P2、バイケミカルラボ、モレクラーラボの整備を行なってきたが、実質的に昨年末に全ラボの改修および器材の設置をほぼ完了した。これに伴いスタッフ数も増加し、ナイロビ近郊の医療機関をベースにした下痢検体の採取と搬送体制の構築を急いでいる。 2)研究成果 昨年末からスパ地域においてコレラが発生した。我々はその地域の衛生行政当局からその制圧にむけた技術的支援を要請された為、現地に赴き、検体採取、原因菌の同定、分離菌の性状検査、飲料水の汚染状況および原因菌の薬剤感受性の結果などを報告した。このことは我々のスタッフに対しては器材の使用法、検体処理に関して、実際のトレーニングのいい機会となった。これまでに50株に上るコレラ菌を下痢便等から分離し、分子生物学的な性状検査を現在行なっているところである。またラボ整備を進めながら、病原性大腸菌に対するマルチマルチプレックスPCRシステムの導入を昨年後半から行なっている。現在、大腸菌のコロニーから病原因子の検出までの全システムの完成までにもう一歩という段階まで来ている。また同時に、カンピロバクタ一、エロモナス、プレジオモナスシゲロイデスなどの下痢起因菌についてもその検出能力の向上を図っている。尚、研究開始に先立ち、昨年7月に研究機関(KEMRI)へリサーチプロポーザルを提出したが、政治的騒動の影響もあってか、予想外に時間がかかっている。現在、CMR(SC)とKEMRI(SCC)の学術委員会およびケニア国の倫理委員会は通り、長崎大学の倫理委員会へ提出している所である。
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