研究課題
本研究は、途上国で乳幼児の高い死亡原因となっている下痢症の実態の解明とともに高いHIV/AIDS陽性率を示す地域における下痢症の意義を探るのが目的である。1) 2008年末からタンザニア国境のニアンザからはじまったコレラはウガンダ国境、中央部のイシオロ、北部国境、モンバサの海岸地域までコレラが流行し、ほぼケニア全土に拡大した。我々は厚生省当局から制圧にむけた技術的支援の要請を受け、現地に赴き、検体採取、原因菌の同定、分離菌の薬剤感受性を含めた性状検査などの結果を報告した。これまでに150株に上る01コレラ菌を分離し、生物型はクラシック、エルトールのハイブリッド型、テトラサイクリンに対してはほとんどが感受性であり、耐性の株の遺伝子はアジア株と同様であった。さらに流行の背景等についても分析を行なっている。2) ナイロビ周辺地域のキアンブ地域では5歳以下の小児を対象にして下痢起因細菌の調査を行なってきた。病原大腸菌に対してはマルチプレックスPCRシステムの導入し、検出を行なっている。同時に、カンピロバクター、エロモナス、プレジオモナスシゲロイデスなどの下痢起因菌についても調査を進め、健康者の糞便の採取も同時に行い、その病原的意義について分析している。
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Glycobiology 28
DNA Research 16(5)
ページ: 299-309