研究課題/領域番号 |
19406021
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
村田 真理子 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10171141)
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研究分担者 |
及川 伸二 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10277006)
平工 雄介 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30324510)
馬 寧 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (30263015)
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キーワード | 中国南部 / Epstein-Barrウィルス / 炎症 / 上咽頭癌 / 8-ニトログアニン / 8-ハイドロキシデオキシグアノシン / DNAメチル化 / Ras-related associated with diabetes(RRAD) |
研究概要 |
Epstein-Barr virus(EBV)は成人における感染率は高く、東アジアおよび中国南部においては上咽頭癌(nasopharyngeal carcinoma ; NPC)の発症が多く、予後不良である。Epstein-Barr virus感染上咽頭癌の発症機構を解明するため、酸化ストレスとEBV感染・炎症関連因子および新規がん抑制遺伝子候補のDNAメチル化異常について検討した。広西医科大学耳鼻咽喉科頭頚部外科学(中国,南寧)を受診した患者において,研究への参加についてインフォームド・コンセントの得られた新規上咽頭癌患者、炎症疾患および非炎症疾患の患者より血液および生検検体を得た。血清を用いて酸化ストレス指標である8-ハイドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)、炎症性サイトカインIL-6およびEBV感染マーカーとしてEBV-viral capsid antigen(VCA)-IgAおよびEBV-early antigen(EA)-IgGをELISAキットにより測定した。生検標本よりDNAおよびRNAを抽出し、DNAメチル化特異的PCR(MSP)および遺伝子発現解析および免疫染色を行った。免疫組織染色法により、癌部で酸化的DNA損傷塩基8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)およびニトロ化DNA損傷塩基8-nitroguanineが強く染色され、iNOSの発現を確認し、また、癌患者での血清8-OHdGの上昇を明らかにした(論文投稿中)。さらに、上咽頭癌患者では血清IL-6、EBV-VCA-IgAおよびEBV-EA-IgGのいずれもが他の患者に比べ有意に高かった。上咽頭癌生検標本において、新しいがん抑制遺伝子候補としてRas-related associated with diabetes(RRAD)のメチル化異常および発現低下を認めた。
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