研究概要 |
本研究の目的は、諸外国(米国とウクライナ共和国)を対象として(特に、供血者集団における)肝炎ウイルス罹患率と肝がん死亡率を比較し、肝がん好発年齢と感染時期の時間交絡との関連性についてグローバルな視点から解明すること、いずれの国においても通用する肝がん対策の基礎資料を提供・構築すること、である。今年は基礎調査を行った。 (米基礎調査1)2007年5月、米国San Francisco Univ. Prof. Dr. BuschおよびProf. Dr. Murphyを訪問し、本研究の目的、方法、方向性の説明および、日本の肝炎ウイルス罹患状況、肝がん死亡率、肝炎ウイルス検査について説明した。両国の比較可能な情報及び解析の可能性について討論を行った。11月、HBV、HCVウイルス関連マーカー測定系の標準を行うために日本で作製した血清パネル2kitづつを送付。米国血液センターで用いている試薬により測定を行い、比較を行った。両国において測定技術、測定結果の乖離は認められなかった。 (ウ基礎調査1)6月、Ukraine, Dr. Zanevskaia, Mr. Edward氏を訪れ、本研究の打合せをしたが、政治的な原因により、調査の進行には種々の困難が起こる可能性を認識した。日本からの血清パネルの空輸は手続き上困難となり、断念した。来年度、持参する計画。 (ウ基礎調査2)12月、Paris, Dr. Nicoを訪問し、ヨーロッパ地域におけるHBV、 HCV感染の状況を意見交換・情報収集を行った。その後、Ukraineに訪問し、血清パネルを用いた測定試薬の標準化の方法について説明等の予定であったが、中止。 <共同Workshop>3月9-12日、Dr. Busch, Dr. Murphy等、国内外の研究者を招へい。本研究課題によるJoint Research Workshop(11日)を開催し、米国、日本、モンゴルのHCV感染の状況について意見交換を行った。ウクライナ研究協力者は、参加予定であったが、直前に中止。米国の肝炎ウイルスの罹患状況や肝がん死亡率等、具体的な資料を得ることができ、来年度に向けた研究計画の立案を行う事ができた。
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