研究課題
本研究は、肝炎ウイルス感染率と肝がん死亡率を元に、肝がん好発年齢と感染時期の時間交絡との関連性についてグローバルな視点から解明するものである。研究成果を通じ、各国における肝がん対策の基礎資料を提供・構築することが可能となった。これまでに米国、ウクライナ共和国で得られたデータを用いた解析を行い、年齢階級別HBs抗原陽性率/HCV抗体陽性率、ならびに肝がん死亡率を算出した。一方、肝炎罹患状況が不明であるカンボジア王国において、同国保健省の協力を得てパイロット調査を開始した。アジアにおいても、肝炎ウイルスの感染率、罹患率を明らかにする基盤を構築した。(ウクライナ共和国調査)2009年5月、研究協力者(Dr.LudmilaとMr.Edward:キエフ市血液センター)との研究打ち合わせを行った。同センターにおける供血者を対象としたスクリーニング検査時の資料(2006年、2007年)から年齢階級別にみたHBs抗原陽性率、HCV抗体陽性率、梅毒陽性率を明らかにした。(米国調査)Dr.Buschとは、IPFA meeting(5月、Belgium)にて、また、Dr.Murphyとは、ISBT(名古屋)にて、米国における肝炎ウイルス罹患率に関する疫学的文献及び肝がん死亡率のデータについて討議を行った。また、日本と米国の出生年コホート別にみたHCV抗体陽性率と肝がん死亡率の比較について国際疫学会西太平洋地域学術会議(2010年1月、埼玉)にて発表を行った。3年間にわたる共同研究により、肝がん好発年齢と感染時期の時間交絡との関連性についての成果を得た。(他国)2009年11月Dr.Nicoらと現在進行中の共同研究について協議した。また、カンボジア王国におけるパイロット調査(70例)を実施し(9月、2010年2月)、肝炎ウイルス感染率を得た。
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