研究課題
本研究の目的は、エジプトの農村地域において、コミュニティ及び家庭内の女性の位置づけ(エンパワメントの程度)と、保健医療サービスへのアクセス状況(女性の健康改善)との関係を明らかにすることである。コミュニティ開発支援活動の効果に留意しながら、女性の意識・行動、経済状況、及び保健医療サービスの状況等について調査し、女性の健康改善を促進する社会的要因を分析して、効果的なコミュニティ介入方法を抽出する。平成19年度は、カイロ大学看護学部と協力して、カイロ近郊農村で現地調査を実施した。調査に先立ち、名古屋大学医学部倫理委員会、エジプト保健人口省、カイロ大学から、研究実施の承認を得た。また、2007年7月、カイロで資料収集と海外共同研究者との研究打合せ、9月に、米国・ワシントンの世界銀行本部で、社会開発基金プロジェクトの保健医療インパクト評価結果等、各種資料の収集と研究打合せ、11月に、スイス・ジュネーブの世界保健機関(WHO)本部にて、資料収集と情報交換を行った。現地調査は、10月31日から11月30日まで、ギザ県シャブラマント村で実施した。女性の健康状態・健康に対する意識・自己決定権等に関する質問票を、英語で作成し、アラビア語に翻訳、プレテストを実施して改訂した。各年齢層の既婚女性7名による、フォーカス・グループ・ディスカッションを実施し、その結果を質問票に反映させた。村の既婚女性を無作為に抽出し、看護学部学生が戸別訪問して、アラビア語により質問票に沿って面接調査した。217名から有効回答が得られ、英語に翻訳し、コンピューターに入力した。面接調査と並行して、村のコミュニティ開発活動に関する施設、カイロの保健人口省、社会連帯省、国家人口委員会、NGO事務所、WHO東地中海地域事務所(EMRO)等を訪問して、資料・情報を収集した。現在、調査結果の統計的解析と質的分析を進めている。
すべて 2007
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